さて、今夜は何と乾杯しますか?
フリーランスの酒類コンサルタント、ナナです!今夜は、私自身の日本酒への愛と情熱を、特に熱い想いを持つ一つの蔵元さんに向けて語らせてください。テーマは、日本酒のルーツの一つとも言われる、兵庫県宍粟(しそう)市にある山陽盃酒造さんの代表銘柄、「播州一献」です。
宍粟市は、蒸したお米に麹菌がついた「ホクホクとした栗のような味わい」が格別に美味しい、麹を使った日本酒発祥の地という説もある、非常に歴史ある土地なんです。面積の約9割が森林という豊かな自然と、兵庫県最高峰・氷ノ山の伏流水(揖保川水系)が、この地で約200年続く蔵の酒造りを支えています。
🏔️ 播州一献を支える、二つの“こだわり”
山陽盃酒造さんがどれほど、この土地と真摯に向き合っているか。それは、彼らのこだわりからひしひしと伝わってきます。
1. 命の水:軟水へのこだわり
仕込水は、自社の井戸から汲み上げる、30mg/L前後という口当たりの良い軟水。
これは、まさに蔵の個性と酒質の方向性を決定づける、マストの選択ですよ!
滑らかで柔らかい酒質を目指す山陽盃酒造さんにとって、この軟水は必要不可欠な財産。酒の味わいは、仕込み水のミネラル含有量(硬度)によって本当に劇的に変わるんですよ。硬水はシャープでキレのある酒になりやすく、軟水はふっくらと柔らかな酒質になる。播州一献の「米の旨味を基調とした優しい口当たり」は、この水なくしては語れません!
2. 地の米:兵庫県「原産」へのこだわり
そして、酒米。彼らは「県産米」ではなく、兵庫県「原産」の酒米にこだわっています。
- 山田錦
- 兵庫北錦
- 兵庫夢錦
など、日本を代表する酒米の穀倉地帯である播州地域のものを、播州の蔵が、播州の水で醸す。この信念が、酒質に一本の芯を通しているのです。
🔥 不屈の精神:火災からの復活と進化
2018年11月、築150年以上の歴史を持つ蔵の約半分が火災で焼失したというニュースは、日本酒ファンにとって本当に衝撃的なものでした。
当時のメッセージには、
「ここを底だと思い、そして播州一献を心待ちにしていただいているお客様の為に精一杯醸します。必ず復活します!」
と、不屈の精神が綴られていました。普通なら気落ちしてしまう状況の中で、前を向き、飲んでくれる人々の顔を思い浮かべた蔵人さんたちの心意気。この情熱に、私の胸は熱くなりました!
そして、火災を乗り越えて完成した新工場は、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証を目指した、最新の衛生設備(ステンレスの内装、エアシャワーなど)を導入。
「温故知新」という言葉がありますが、古いものを大切にしつつ、最先端の技術を取り入れる姿勢。これぞ、本物の専門家の証です!
この経験を経て、私自身、播州一献はより一層スタイリッシュに、洗練されたお酒になっていると感じています。柔らかい米の旨味と酸を基調としながらも、キレイなキレを伴う、現代的でエレガントな酒質へと進化を遂げているのです。
💖 ナナが愛してやまない一本
そんな播州一献の中で、私が特に愛してやまないのが、「播州一献 七宝(しっぽう)純米 生原酒」です!
メロンを思わせるとろりとした果実味、そして柔らかいながらもキレイにさばけていく爽快感。辛口のお酒ももちろん美味しいのですが、やはりナナは、このとろりとした甘さがある「七宝」が一番なんです。
この「七宝」に合わせるなら、和菓子とのペアリングを試していただきたいですね!
あぁ、この滑らかで優しい甘さのお酒には、ふっくらとした上生菓子を合わせたい気分です。
米の旨味と調和する、繊細な甘さが口の中でとろけ合う瞬間。飲んだ時の感動を増幅させる、最高の瞬間です!
💖 最後に
山陽盃酒造さんの不屈の精神と、宍粟の風土への真摯な思いは、私たちがいただく一杯のお酒に、確かに宿っています。
知ればもっと、美味しくなる。それが『ナナと一杯』の結論です!
🍷 読者への問いかけ
今回の「播州一献」深掘り記事、いかがでしたか?
火災を乗り越えてさらに洗練されたお酒、ぜひ皆さんも飲んでみてください。もし既に「播州一献」がお好きでしたら、「あなたの好きな播州一献」や、「七宝に合うと思う最高のペアリング」をコメント欄で教えていただけると嬉しいです!

