さて、今夜は何と乾杯しますか?
こんばんは!フリーランスの酒類コンサルタント、ナナです🍷✨
皆さんは、ワインを選ぶときに何を重視しますか?もちろん、品種や産地、価格は重要ですが、中には「このラベル、どういうこと!?」って思わず二度見しちゃうような、個性が爆発しているワインがありますよね!
今夜ご紹介するのは、まさにそんな、見た目のインパクトと中身のクオリティのギャップに、私がもう完全に心を奪われてしまった一本です。
オーストラリアのワイン産地の常識を覆す、「はみ出し者(デリンクエンテ)」が生んだ、驚くほどジューシーでエネルギッシュなナチュールワイン、「デリンクエンテ(Delinquente)」に迫ります!
衝撃のラベルに隠された「はみ出し者」の情熱!
🍷 デリンクエンテって何者?
「デリンクエンテ」とは、イタリア語で「はみ出し者」という意味なんです。
このワインを造っているのは、オーストラリア最大のブドウ生産地であるリヴァーランドで生まれ育ったワインメーカー、グレッグさん。彼は、自らを「デリンクエンテ」と名乗り、かつてはテーブルワインの産地というイメージが強かったこの土地で、「現代的で飲みやすい」かつ「コストパフォーマンスに優れた」ナチュラルワインを造るという挑戦を始めました。
彼の情熱は、ただのブドウ栽培に留まりません。彼は、リヴァーランドの温暖で乾燥した気候に適応する南イタリアの土着品種をメインに採用!これが彼の専門家としての「こだわり」です。
「その選択には、明確な歴史的背景と地理的要因が絡み合っているんです。」
まさに、グレッグさんはリヴァーランドという土地の可能性を最大限に引き出した、知的な革命児!
🍷 ユニークなラベルのストーリー
そしてこのワインの特徴といえば、この斬新で、ちょっと変顔にも見えるユニークなラベルですよね。これ、すべて彼の友人であるデザイナーが手掛けているんです。
今回ご紹介する「ビアンコ・マセラート」のラベルに描かれているのは、「ジェイバード」という名のキャラクター。彼のストーリーを少しご紹介しますね。
“JUST KEEP ON MOVING ON” – 乗り込んだ貨物列車の轟音に負けじと、「ジェイバード」はそう歌ってみせる。それでも彼はその終わらない旅の中で出会う人々、風景、そして夕焼けに何度でも恋に落ちていくのだ。
ラベルの絵一つ一つに、こんなにも深く、詩的な物語が設定されているなんて…。
「この情熱、もうたまりませんね!」
ワインを一口飲むたびに、ジェイバードの終わらない旅路に思いを馳せてしまうんです。
🍊 ビアンコ・マセラート:旅と物語が溶け合った味
さて、いよいよ本命のテイスティングです。私が今回、特に感動したのが、この「ビアンコ・マセラート(Bianco Macerato)」!
これはフィアーノ、アリント、マルヴァジーアという3つの品種をブレンドした、スキン・コンタクト(醸し)を伴う白ワイン、いわゆるオレンジワインです。
「複数の品種をアッサンブラージュ(ブレンド)する時、各々の要素が化学反応を起こすことで、単一品種では到達し得ない複雑性が生まれます。」
このワインはまさに、旅や物語が一つになることで生まれる味わいだと、グレッグさんは言っています。
🥂 テイスティングノート:温度による変化を楽しんで!
まず冷えている状態からいただきます。
- 香り: ぎゅーっとしたシトラス、ライムのニュアンスがフレッシュ!グレープフルーツの皮のようなほろ苦さも感じられます。
- 味わい: 酸をしっかり感じて明るく、飲み込んだ後に旨味がじんわりと残ります。スキン・コンタクト由来のほのかなタンニンが、液体にテクスチャー(質感)を与えていて、口の中でワインが踊る感覚。
そして、温度が上がってくると、パッションフルーツやパイナップルのような甘やかなニュアンスが顔を出すんです!ライムの酸味とのバランスが絶妙で、
「もう、感動が止まらないんです!」
ナチュールワイン特有のこのジューシーで身体にしみこんでくる感じが本当に大好き!リヴァーランドの温暖な気候が育んだ、太陽の恵みを感じる一本です。
💡 旅をテーマにしたペアリング
このワインの「旅」というテーマに合わせて、ペアリングを考えてみました。
「ワインの個性を活かし、料理の風味を深めるのが、マリアージュの醍醐味です。」
- フレッシュなアジア料理:
- 生春巻きや鶏むね肉のフォー(ベトナム料理)
- 柑橘系の酸味とハーブの爽やかさが、ワインのジューシーな酸とぴったり!
- フルーツを使ったチーズ:
- クリームチーズにパイナップルのジャムやドライフルーツを添えて。
- ワインの温度が上がった時のパッションフルーツのような甘みが、チーズと合わさり極上のデザートタイムに!
📚 豆知識:リヴァーランドと地中海品種の理由
最後に、デリンクエンテがなぜこの品種を選んだのか、専門家として解説しますね。
リヴァーランドは、日照時間が長く温暖な気候。かつては大量生産のテーブルワインの産地でしたが、近年は「温暖な気候に適した地中海原産の品種」を栽培するブティックワイナリーが増えています。
これは、地中海品種が持つ「酸をしっかりと保てる能力」と「温暖な気候への適応力」が高品質なワイン造りに不可欠だからなんです。
- 🍇 フィアーノ (Fiano): イタリア南部カンパーニア州の土着品種。アロマティックでミネラル感が豊富。
- 🍇 アリント (Arinto): ポルトガル原産。温暖な地域でも高い酸味を保つ「酸のスペシャリスト」。
- 🍇 マルヴァジーア (Malvasia): 非常に多くの亜種を持つグループ。ふくよかでアロマティックな要素を提供。
この3品種がブレンドされることで、「テクスチャーがあり、興味深く、そして満足させられてしまう」、素晴らしい味わいが生まれているんですね!
結論:次の「一杯」を特別な旅に!
今回は、オーストラリアの「はみ出し者」が造る、個性が光るナチュールワイン「デリンクエンテ」をご紹介しました。
ラベルのインパクトに驚き、グラスに注いで色の美しさに感嘆し、そして一口飲んでそのジューシーな美味しさに唸る。
知ればもっと、美味しくなる。それが『ナナと一杯』の結論です!
皆さんも、この「デリンクエンテ」を飲んで、ぜひあなたの「ジェイバード」ストーリーを見つけてみてくださいね!
📣 次は何と乾杯しますか?
今回の「デリンクエンテ」の感想や、皆さんが最近出会った「はみ出し者」な個性派ワインがあれば、ぜひコメント欄で教えてください!
私も次はどんな「旅」に出会えるのか、今からワクワクしています!また次回の「ナナと一杯」でお会いしましょう!

