皆さま、こんばんは!ナナです。 さて、今夜は何と乾杯しますか?
突然ですが、皆さんは「日本ワインの赤」といえば何を思い浮かべますか? 多くの方が「マスカット・ベーリーA」を挙げるのではないでしょうか。あの華やかでチャーミングな香りは、日本人の味覚にそっと寄り添ってくれますよね。
でも、この品種が「誰によって、どんな想いで作られたか」をご存知ですか? 今日は、日本ワインの父と呼ばれる川上善兵衛(かわかみ ぜんべえ)さんが創設した、新潟県「岩の原葡萄園」の物語と、その結晶とも言える一本をご紹介します。
1万回の交雑が生んだ奇跡「マスカット・ベーリーA」
日本ワインの歴史を語る上で、川上善兵衛さんの存在は欠かせません。 彼は地元の活性化を願い、日本の気候に合うブドウを求めて、なんと1万回以上もの交雑を繰り返したんです。
その情熱の末に誕生したのが、マスカット・ベーリーA。 現在では世界的に認められ、OIV(国際ブドウ・ワイン機構)にも登録されている、日本を代表する品種となりました。
「この一杯には、語り尽くせないほどの背景(ストーリー)が詰まっているんです。」
善兵衛さんの「いつの日か、最高の一杯を造り出したい」という想いは、今もワイナリーの魂として受け継がれています。
雪国・新潟だからこそ成し得た「雪を利用したワイン造り」
岩の原葡萄園の大きな特徴は、なんといっても「雪室(ゆきむろ)」です。
冷却設備がない100年以上前、善兵衛さんは越後名物の「雪」をワインの温度管理に利用することを思いつきました。現在はその伝統を復活させ、環境負荷を抑えたエコなワイン造りを実践されています。
新潟の言葉に、ゆったりと寛いだ気分を表す「じょんのび」という方言があります。 スタイリッシュでありながら、どこかホッとする、のびのびとした味わい。岩の原ワインが目指す「クールなじょんのび」な世界観は、この雪の魔法から生まれているのかもしれませんね。
【テイスティング】岩の原ワイン 深雪花(みゆきばな)赤
今回私がセレクトしたのは、こちらの一本です。
- 銘柄: 岩の原ワイン 深雪花 マスカット・ベーリーA
- 価格: 720ml / 2,497円(税込)
- ボディ: ミディアムボディ
香りと味わいの印象
グラスに注いだ瞬間、赤いベリー系のチャーミングで華やかな香りが広がります。「あぁ、これぞマスカット・ベーリーA!」と、思わず頬が緩んでしまうような愛らしさ。
でも、ここからが「深雪花」のすごいところ。 「一口飲めば分かります。このバランス、まさに黄金比ですね!」
口に含むと、落ち着いた果実感がゆっくりとしなやかに広がります。「マスカット・ベーリーAって少し軽すぎるかも?」と思っている方にこそ飲んでほしい!樽由来の落ち着いたまろやかさと、凝縮された果実のニュアンスが見事に調和しています。
おすすめの楽しみ方
「このお酒には、ぜひこの器を。香りの開き方が劇的に変わりますよ。」 少し大ぶりのグラスで、香りを存分に引き出して楽しんでみてください。
ペアリングには、照り焼きや肉じゃがなど、甘辛い醤油ベースの和食が最高です。 「まさに、お酒とお料理の運命の出会い(マリアージュ)ですね!」
まとめ
川上善兵衛さんが1万回の試行錯誤の末に見た夢。 それが今、私たちのグラスの中で「深雪花」として花開いています。
日本ワインの歴史に想いを馳せながら、新潟の雪が育んだ一本をゆっくりと味わう時間。これ以上の贅沢はありません。
知ればもっと、美味しくなる。それが『ナナと一杯』の結論です!
ナナの編集後記
皆さんは、マスカット・ベーリーAにどんなイメージを持っていますか? 「初めて飲んだ日本ワインがこれだった!」というエピソードや、お気に入りのペアリングがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!
次回の更新もお楽しみに。それでは、今夜も素敵なワインタイムを!
