【ボルドーの伝説】スーパーで見かける「ムートン・カデ」が実はとんでもなく凄い理由

赤ワイン

こんにちは、ナナです! フリーランスの酒類コンサルタントとして、日々「お酒の感動」を伝える活動をしています。

さて、今夜は何と乾杯しますか?

仕事帰りのスーパーやコンビニ。ふとワインコーナーに目を向けると、羊のマークが描かれたシックなラベルのワインが並んでいませんか?そう、それが今回ご紹介する「ムートン・カデ」です。

「よく見かけるし、1000円台の手頃なワインでしょ?」なんて思ったら大間違い!実はこの一本には、ボルドーの歴史を動かした情熱がギュッと詰まっているんです。


1. 誕生のきっかけは「妥協を許さないプライド」

ムートン・カデの誕生は1930年。実は、ちょっとした「事件」から生まれました。

その年、ボルドーは歴史的な不作。最高峰のワイン「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」として瓶詰めするにはクオリティが足りない……。そこで当時の当主、伝説のフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵は考えました。

「ムートンの名は冠せないが、私たちが認めた品質のワインを別の名前で出そう」

そうして生まれたのが「ムートン・カデ」。 「カデ(Cadet)」はフランス語で「末っ子」という意味。一族の末っ子だった男爵自身と、ムートン直系のワインであることを表現した、愛のこもったネーミングなんです。


2. 背景にあるのは「世界最高峰」の血統

「ムートン・カデ」を造っているのは、フランスの名門「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド」。

これ、実はとんでもないことなんです。 だって、彼らが手掛けているのはこんなラインナップですよ?

  • シャトー・ムートン・ロートシルト(ボルドー格付け1級・5大シャトー)
  • シャトー・ダルマイヤック(ボルドー格付け5級)
  • シャトー・クレール・ミロン(ボルドー格付け5級)
  • オーパス・ワン(アメリカ・カリフォルニア)
  • アルマヴィーヴァ(チリ)

お酒のバックグラウンドを知ると、もっと愛おしくなりませんか? 格付けシャトーから世界の至宝までを網羅する、まさに世界最高峰のワイナリー集団。その技術と哲学が、私たちが手軽に買える一本にも惜しみなく注ぎ込まれているんです。


3. 今回の一杯はこれ!「ムートン・カデ・ルージュ」

今回、私がセレクトしたのは、最もスタンダードな赤ワイン「ムートン・カデ・ルージュ」(750ml / 参考価格¥1,800くらい)です。

ボルドーの流儀「ブレンド」の魔法

このワイン、ラベルを見るとブドウ品種が一つだけ書いてあるわけではありません。 実はフランスのボルドー地方では、単一の品種ではなく、複数のブドウ品種を組み合わせる「ブレンド」が一般的なんです。

このルージュも、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランという、ボルドーを代表する黄金トリオで造られています。それぞれのブドウの良いとこ取りをして、完璧なバランスを目指す。これがボルドーのワイン造りの真髄なんですよ。

気軽に楽しめるフレッシュなスタイル

格付けワインの多くは、何年も寝かせないと真価を発揮しない「超・長期熟成型」ですが、ムートン・カデのスタイルは違います。

「食事に合わせやすく、開けた瞬間から美味しいこと」

これが最大の魅力! 味わいも、「ザ・ボルドー」といった感じの重厚なフルボディではありません。熟したラズベリーやブラックベリーのアロマ、シナモンのようなスパイスのニュアンスはありつつも、とってもとっつきやすく、フレッシュさもあって、気軽に楽しめるスタイルに仕上がっています。

一口飲めば、その造りの丁寧さに背筋が伸びる思いです!


4. ナナ流!おすすめの楽しみ方

このワインをさらに輝かせるポイントをご紹介します。

おすすめのペアリング

重すぎないフレッシュなボルドーなので、お肉料理はもちろん、少し濃いめの味付けの中華料理とも相性抜群です。 この組み合わせ、まさに「運命の出会い」と言っても過言ではありません!

酒器のこだわり

ぜひ、少し大きめのグラスで楽しんでみてください。 この一杯を最高にするために、器選びにも愛を込めて。 香りが一気に華やぎますよ!


まとめ

スーパーで買えるカジュアルな顔をしながら、中身はボルドー最高峰の血筋。 高級ワインの敷居を下げ、世界中で愛される存在になったムートン・カデ。今夜の食卓に、ぜひ一族の「末っ子」を招いてみませんか?

知ればもっと、美味しくなる。それが『ナナと一杯』の結論です!


【ナナからの一言】 皆さんは、ムートン・カデをどんなシーンで飲んでみたいですか?お家飲み、キャンプ、お祝い……ぜひコメント欄で皆さんの楽しみ方を教えてください!

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